
お年玉切手シートは、お年玉付き年賀状で当選する景品の1つで1950年(昭和25年)に初めて発行されました。
とくにお年玉切手シートの当選率は高く、美しい干支や縁起物が描かれた切手シートをご自宅で保管している方も多いかと思います。
現在、お年玉切手の中でプレミア切手としての価値があるのは、昭和25年お年玉切手シート(応挙の虎)と昭和26年お年玉切手シート(少女と兎)です。
この記事では、お年玉切手の特徴と種類別での詳しい解説をするとともに、額面と記号での買取価格はどれくらいになるのかを詳しく解説していきます。
目次
お年玉切手とは
お年玉切手は、毎年郵便局が発行するお年玉付き年賀はがきの景品としてもらえる年賀切手です。
現在も続いていて、シートに年賀切手が複数枚付いた「お年玉年切手シート」として知られています。
1950年(昭和25年)、最初に発行された年玉切手シート(応挙の虎)は発行枚数が少なく、プレミア価値のあるお年玉切手です。
また、お年玉切手シートの切手のデザインにはその年の干支にちなんだ動物や伝統工芸品、縁起物などが採用されてきました。
1976年(昭和51年)からは毎年干支の絵柄が採用されています。
お年玉切手の買取価格の目安
以下の表は、ヤフオクでのお年玉切手の落札価格相場と複数買取店で店長として働いていた経験をもとに買取価格の目安を算出しています。
実際の買取価格は切手の状態や買取業者により異なりますが、多くの買取店ではヤフオクの金額を参考にすることが多いです。
そのため、自分の持っているお年玉切手がいくらになるのかという目安としてご覧ください。
※買取価格は業者により異なります。
切手の種類 | シート(未使用・状態良) |
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昭和25年お年玉切手シート(応挙の虎) | 4,000円〜8,000円 |
昭和26年お年玉切手シート(少女と兎) | 500円〜2,500円 |
昭和27年お年玉切手シート(翁の面) | 500円〜2,500円 |
昭和28年お年玉切手シート(三番叟) | 500円〜2,000円 |
昭和29年お年玉切手シート(三春駒) | 300円〜1,000円 |
昭和30年お年玉切手シート(だるま) | 300円〜1,000円 |
昭和31年お年玉切手シート(こけし) | 100円〜500円 |
昭和32年お年玉切手シート(だんじり) | 10円〜300円 |
昭和33年お年玉切手シート(犬張子) | 10円〜300円 |
昭和34年お年玉切手シート(鯉えびす) | 10円〜300円 |
昭和35年以降のお年玉切手シート | 10円〜300円 |
お年玉切手は当選率の高く、美品として残っていることが多く高い金額は期待できませんが、初期のお年玉切手では最高価格8000円の高額買取が期待できます。
例えば、初めて発行された昭和25年お年玉切手シート(応挙の虎)は、発行枚数も少なくプレミア価値があるため新品未使用品で4,000円~8,000円という買取金額です。それに比べ、昭和35年以降の新品未使用品のお年玉切手切手シートは数百円と安くなっています。
昭和25年お年玉切手シート(応挙の虎)
発行年数 | 1950年(昭和25年) |
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発行枚数 | 90万枚 |
額面 | 2円(5枚綴り) |
買取価格の目安 | 4,000円〜8,000円 |
昭和25年お年玉切手(応挙の虎)には、江戸時代の画家・円山応挙(1733~1795)の描いた虎が採用されました。
切手シートのままで状態が良く未使用であれば4,000円~8,000円とお年玉切手シートの中では一番高い価格で取引されています。
また、昭和25年お年玉切手(応挙の虎)は発行枚数が少ないため希少価値が高く、日本で初めて発行されたお年玉切手シートでもあるため切手コレクターの間では「応拳の虎」と呼ばれ人気があります。
昭和26年お年玉切手シート(少女と兎)
発行年数 | 1951年(昭和26年) |
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発行枚数 | 300万枚 |
額面 | 2円(5枚綴り) |
買取価格の目安 | 500円〜2,500円 |
昭和26年お年玉切手(少女と兎)には、その年の干支であるうさぎを抱えた少女が描かれています。
この少女とうさぎはモデルを撮影した写真から原画を起こしています。
買取価格は切手シートのままで状態が良く未使用であれば500円~2,500円と昭和少し期待できる価格です。
昭和27年お年玉切手シート(翁の面)
発行年数 | 1952年(昭和27年) |
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発行枚数 | 308万枚 |
額面 | 5円(4枚綴り) |
買取価格の目安 | 500円〜2,500円 |
昭和27年お年玉切手(翁の面)には、能楽に使われる翁の面が描かれています。
翁の面を用いた舞は、長寿の翁が人々の安寧を願う舞です。そのため翁の面がお年玉切手のデザインとして採用されました。
買取価格は切手シートのままで状態が良く未使用であれば500円~2,500円と昭和少し期待できる価格です。
昭和28年お年玉切手シート(三番叟)
発行年数 | 1953年(昭和28年) |
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発行枚数 | 315万枚 |
額面 | 5円(4枚綴り) |
買取価格の目安 | 500円〜2,000円 |
昭和28年お年玉切手(三番叟)には、三番叟人形(さんばぞうにんぎょう)描かれています。
三番叟人形とは能楽で人々の安寧を願う翁の舞に登場する人形のことです。おめでたい年賀切手のデザインとして三番叟人形が選ばれました。
買取価格は切手シートのままで状態が良く未使用であれば500円~2,000円と昭和少し期待できる価格です。
昭和29年お年玉切手シート(三春駒)
発行年数 | 1954年(昭和29年) |
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発行枚数 | 360万枚 |
額面 | 5円(4枚綴り) |
買取価格の目安 | 300円〜1,000円 |
昭和29年お年玉切手(三春駒)には、福島県郡山市の伝統工芸品の三春駒(みはるこま)が描かれています。
三春駒は子育ての縁起物として作られる一寸代の馬型木彫で、昭和29年の干支にちなんで採用されました。
買取価格は切手シートのままで状態が良く未使用であれば300円~1,000円と少し期待できる価格です。
昭和30年お年玉切手シート(だるま)
発行年数 | 1955年(昭和30年) |
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発行枚数 | 400万枚 |
額面 | 5円(4枚綴り) |
買取価格の目安 | 300円〜1,000円 |
昭和30年お年玉切手(だるま)には、石川県金沢市の伝統工芸品の加賀八幡起き上がり(かがはちまんおきあがり)が描かれています。
昭和29年お年玉切手シート(三春駒)に続き郷土の民芸シリーズ第二段で、縁起物のだるまのデザインが採用されました。
買取価格は切手シートのままで状態が良く未使用であれば300円~1,000円と少し期待できる価格です。
昭和31年お年玉切手シート(こけし)
発行年数 | 1956年(昭和31年) |
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発行枚数 | 400万枚 |
額面 | 5円(4枚綴り) |
買取価格の目安 | 100円〜500円 |
昭和31年お年玉切手(こけし)には、宮城県の伝統工芸品のこけしとえじこが描かれています。
えじことは乳幼児を入れておくためのゆりかごのような籠です。
こけしは子供の玩具としても縁起物としても作られていたため、昭和31年のお年玉切手シートに採用されました。
買取価格は切手シートのままで状態が良く未使用で100円~500円少し期待できる価格です。
昭和32年お年玉切手シート(だんじり)
発行年数 | 1957年(昭和32年) |
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発行枚数 | 860万6000枚 |
額面 | 5円(4枚綴り) |
買取価格の目安 | 100円〜500円 |
昭和32年お年玉切手(だんじり)には、長崎張り子の鯨の潮吹きと呼ばれる郷土玩具が描かれています。
鯨の潮吹きとは、長崎市の諏訪神社の秋祭りに出される山車に見立てて作られた子供用の玩具です。
買取価格は切手シートのままで状態が良く未使用で100円~500円少し期待できる価格です。
昭和33年お年玉切手シート(犬張子)
発行年数 | 1958年(昭和33年) |
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発行枚数 | 948万4000枚 |
額面 | 5円(4枚綴り) |
買取価格の目安 | 10円〜300円 |
昭和34年お年玉切手(犬張子)には、その年の干支にちなんで東京都の伝統工芸品の犬張子(いぬはりこ)が選ばれました。
犬張子には魔除けや無病息災、安産などを願って作られた子供の玩具です。そのため、縁起物としてお年玉切手シートに採用されました。
買取価格は切手シートのままで状態が良く未使用で100円~300円です。
昭和34年お年玉切手シート(鯉えびす)
発行年数 | 1959年(昭和34年) |
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発行枚数 | 1044万2000枚 |
額面 | 5円(4枚綴り) |
買取価格の目安 | 10円〜300円 |
昭和34年お年玉切手(鯉えびす)には、香川県高松市の郷土玩具である高松張子の鯛戎(たいえびす)のつまみ人形が描かれています。
鯛戎の鯛はめでたいという意味があり、えびす神も新年にふさわしいとして昭和34年お年玉切手シートに採用されました。
買取価格は切手シートのままで状態が良く未使用で10円~300円とです。
昭和35年以降のお年玉切手シート
昭和35年以降のお年玉切手シートも切手シートのままで状態が良く新品未使用品でも10~300円程度となっています。
初めてお年玉切手シートが発行された昭和25年お年玉切手シート(応挙の虎)と比較するとだいぶ値崩れしています。
お年玉切手を高い金額で買取してもらうポイント
お年玉切手を買取してもらうときは、まとめ売りすることをおすすめします。
とくに昭和31年以降のお年玉切手の価値は、未使用品の美品でも数百円程と安くなっています。
そのため、1度に複数枚販売することで買取額の合計を上げることがおすすめです。
また、近年は切手コレクターが減少しているため古い切手の価値が下がり続けています。
そのため切手の状態が良いうちにまとめ売りするのがおすすめです。
買取金額の例として、筆者が昭和35年以降のお年玉切手5枚をまとめて買取したときの合計金額は4000円です。
まとめ
お年玉切手は現存数が多いため一番古いお年玉切手でも10,000円には届きませんが、それでもまとめ売りすることでまとまった利益を得ることができます。
ご自宅に眠っているお年玉切手を見つけたらぜひ参考にしてみてください。
切手の価値が下がる前にまとめ売りすることがおすすめです。